司馬懿日記

横山三国志好きの我が家の軍師と行った、劇や映画の記録を残しておくための備忘録ブログです

『子供の事情』(新国立劇場中ホール)

軍師曰く、『おのれナポレオン』以来の当たり劇らしい。

三谷という演出家は、もちろんおもしろい物語も書くのだが、あて書きしたときの役者の配役がとにかくうまい。素直に日本一なのではないだろうか。ナポレン役の野田秀樹ももちろん、『バッド・ニュースグッド・タイミング』での沢口靖子など、沢口のダイコンである部分をダイコンの甘み苦味を壊すことなくすべて舞台上で料理しきって極上の舞台をつくりあげていた。

そういう視点で見たとき、今回の劇はやはり大泉洋が出色だった。『清洲会議』の豊臣秀吉ですでに使った演出方法ではあるが、他の演出家がやることができない「大泉洋って、いい人っぽく見せてるけど絶対嫌な奴である裏の顔があるよね」という観客の気持ちを見事に掬い上げ、一見いい人に見えるけれど裏があり、その仮面が徐々に剥がれていく、という役を大泉にあてている。これが素晴らしい。大泉も難しい役をよく演じ切った。

一時期足で書いたような脚本を連発していたが、ここ最近の三谷はよく持ち直した。次が楽しみ、だそうな。

 

あのレースっぽい絵が書けるやつにスピログラフという名前があることをこの劇で知った。今の小学生女子も使ってるのかな?

主役クラスの役者さんをたくさん使ってのコメディだったので、普段観てる劇とは段違いのゴージャス感に溢れてた。上演時間も長かった割りに、中だるみもなく最後まで楽しめた。やはり三谷はチケット代が少々高くても行く価値があるなー、と実感した。

初、伊藤蘭は小さな方でびっくり。華奢なイメージだけど、もう少し大きいと思ってた。テレビでしか見たことなかったし、キャンディーズは絶対的アイドルで偉大だったから、記憶が改変されてたのかも。

久々の初台だったのに、日曜日にチケット取っておけば【サンデーベイクショップ】に寄れたのになー、とちょっとだけ後悔。