ヨーロッパ企画イエティ#13 『コテンパン・ラリー2』(駅前劇場)
・90分弱で30本の短編をする公演
・ヨーロッパ企画の日替わり出演者は酒井善史
軍師曰く、作家や脚本家は皆メタが好きでやりたがるが、読者や観客はそれほど好きではない。また、作家や脚本家はメタ要素を見事に操れると思い込んでいるが、実は皆それほど頭はよくない、そうだ。
ショートコント群を舞台裏のやりとりで繋ぐ方法は、ありきたりではあるが悪くない。が、今回の劇の全体を俯瞰したとき、観客が感じとる物語の主線が、舞台上の役者の演技ではなく、その合間合間に挿入された映像の中にあるように見えてしまったのは問題だろう。
メタ演劇をするならば、その「観客が主線だと感じてしまった」舞台裏の映像の中身を、連続性を保ったまま舞台の上にひきずりだした上で、観客の目の前で、ライブで、決着をつけてみせる必要があった。その、肝心要のどんでん返し部分が、脚本上圧倒的に練り込み不足だという印象を受けた。
であるから、せっかく「演劇」という一回性の高い物語を見にきているのに、観客であるわたしたちは置いてきぼりをくらったような気持ちになる。
ならば、家で本でも読んでいたほうがましだ、そうな。
私はメタが苦手なので、今回の公演はちょっともにょもにょした。
「俺の白飯を超えてゆけ!!」が大好きなので、またこんなのやって欲しいなー。
加藤啓さんだと更に嬉しいな。