鋼鉄村松 『オセロ王』(花まる学習会王子)
軍師曰く、たいへんに惜しい舞台だそう。
一発ネタとしての素材は宝石のように輝いており、それだけでとてつもない価値があるが、料理人がヘボすぎると言っていた。
この題材の新規性は、「肌の色の違いによる差別・被差別の境界線が毎朝のドーランの塗り分けにすぎず、それゆえにこだわりを捨てられない者たちがいる」ことにある。わたしたちの中にある差別・被差別を生む感情を、ドーランを塗るという、やめようと思えば誰でも明日にでもやめられる行為によって可視化してみせたことがなにより素晴しい。いくら誉めても誉めたりない。
これは、今日のわたしたちの社会に内在し、見えないふりをしている問題を鋭く抉り出している。にもかかわらず、肝心なその部分をエッセンス程度にしか使わず、ありきたりなヒューマニズム演劇をくどくどと見せつけてくる。
たいへんに残念だと言っていた。
久々の王子だったので、【明治堂】で甘食を購入。ホントいつ食べても美味しい。家の近所に欲しいパン屋だ。