司馬懿日記

横山三国志好きの我が家の軍師と行った、劇や映画の記録を残しておくための備忘録ブログです

青蛾館『寺山音楽劇 中国の不思議な役人』(東京芸術劇場 シアターウエスト)

普段寺山を天才と崇めている軍師曰く、弘法も筆のあやまり。駄作判定。

寺山は、事象の連続性によって物語をつくるのではなく、事象が暗喩するモノの連続性によって物語をつくる。

おそらく彼は感覚の人で、親とか母とか孤独とかをモチーフにしているうちは天才の冴えを発揮するが、自身が鷲掴みできていない日本帝国軍とか戦争とか上海とかのモチーフを選んで理屈で物語をつくりだすと、暗喩するモノの連続性が失われ、話がぼやけてありきたりになってしまうのだろう。

劇中、一般の中国人が仮面をかぶりアノニマスであることを誇示していたことから、不死である「中国の役人」ひとりがこの演劇における中国および中国人全体を体現していると考えられる。それと娼婦である女たちの生きざまと行く末を合わせてみると、『七人の侍』の村人の如く、野盗と侍が合体した存在である日本帝国軍がいろいろやって去ったあとも中国(人)は依然として変わらずそこにありますよ、とか……。

適当な解釈ならいくらでも可能だが、軍師が言うには他の寺山作品に比べていまひとつ締まらないらしい。

「毒薊」役の女優さんに見覚えあり、とまた軍師が言い出したので調べたところ、去年見たgood morning N°5『ケツラク』で、半裸で怪演していた女優さんだった。私は顔認識が弱いので、メイクとかですぐ分からなくなるなー。

珍しくJRで池袋に出たので、観劇前にひさびさに【キャンプ エクスプレス 池袋店】の一日分野菜カレーを食べた。あいかわらず美味しい。開店時間が遅くなる旨の貼紙があったけど、朝食からカレーというのは、ちょっと重いのかな。