司馬懿日記

横山三国志好きの我が家の軍師と行った、劇や映画の記録を残しておくための備忘録ブログです

サムゴーギャットモンテイプ『おうちにかえるオブザデッド』(東中野RAFT)

軍師曰く、タイトルから『大怪獣東京に現る』のゾンビ版かと勝手に思ってワクテカしていたら『北の国から』を水で薄めてカルピスウォーターくらいのさらさら加減にしたやっすい人間ドラマ+ちょっとだけゾンビを見せられてがっかりしたとのこと。

手垢のつきまくっているゾンビものだけに、昨今はどのような新機軸をぶちこむかということが注目点になる。が、『北の国から』がゾンビなしでも十二分に描いていたような人間関係の軋轢に、気持ち程度のゾンビ成分を足したところで、そのゾンビ成分はなぜ必要だったの? という話にしかならない。

遠方で発生した「なにか」の象徴としてのゾンビが、地方在住者のサークル内に知らぬうちに入り込み生活が劇変する一瞬を描いたのが今回の劇だとして、なぜその人物は死を選ぶのか、この場における死の象徴とはなんなのか、なぜ生き残った女性たちはたくましく変貌しているのかなどなど、敢えてゾンビを使う以上、物語の中で暗喩として使っておかなければならないモチーフは山積みである。にもかかわらず、安易な人間ドラマに解を求めてしまい、もっとも重要であるはずのゾンビパニック前後の価値観の転換点について、作り手が熟慮した形跡が伺えないことが残念だ。

今回の劇がゾンビである必要はなかったし、かといって、ゾンビ物特有の良さを描くためにこの状況を敢えて選んだ、という風にも感じられなかった。それならば、登場人物が次々死んでいくとして、「また死んだね」「死にましたね」で流していくなどしたほうがまだ現代的に感じるんじゃないか……だそうな。

 

初めての劇団、初めての会場。

日差しが強い日に日傘もなく歩いていたので、軽い熱中症っぽくなって劇場についたときには結構へろへろ。

平日の昼公演だったのに、狭い会場とはいえ、ほぼ満席だったけど、皆様なんの仕事に就いているのかな?

帰りに中野に出て、【ツイテル (Tsui-teru!)】で熟成肉でうまうま。店内で流れてるVTRのカラスの少年のエピソード好き。適材適所っていいよね。