司馬懿日記

横山三国志好きの我が家の軍師と行った、劇や映画の記録を残しておくための備忘録ブログです

『ALL OUT!! THE STAGE』(Zeppブルーシアター六本木)

軍師曰く、西田シャトナーの演出技法は、他の演劇技法よりも役者の技量が劇の出来・不出来に直結するらしい。

ALL OUT!!』の物語自体はよくできたスポ根物であり、脚本そのものに特筆すべきところはないが、だからといって不可でもなく普通におもしろい。しかし、役者の分だけ『弱虫ペダル』より落ちた感じがしたし、それを言うなら、『弱虫ペダル』でも初期のメンバーのほうがよい劇として成立していたように感じる、そうである。

劇場における演劇は、役者の持つ「本人と役」という二面性、演劇の持つ一回性、そこから導かれる舞台上と観客の共犯関係など、通常のドラマや小説に比べてマンガっぽいお約束事が成立しやすい場である。TVドラマではできない、「コマ外に作者が書いたひとこと」ですら、特にメタフィクションにすることなく舞台は容易に実現する。そうしたお約束事を最大限に利用する演出家である西田シャトナーは、マンガやアニメが元になった2.5次元劇にわりと向いているといえる。

が、2.5次元劇はB級風味のイケメン俳優が主で舞台としてのおもしろさは従であるが故に、軍師がいちばん好きな『熱闘!! 飛龍小学校』ほどの完成度を望むのは難しいのかなあ、と悲嘆していた。

 

原作の『ALL OUT!!』を未読で観劇。

物語は普通に面白かったんだけど、『弱虫ペダル』のときはハンドルだけでも自転車っぽく感じたのに、ラグビーがわからないからか、ただラグビーボールを持ってるとしか思えなくて、没入感にかけた。あと2.5次元なのに、ふくよかな役者さんがいたのは新鮮だった。ま、ラグビーやってて細い人だけって不自然だよね。

初めてのブルーシアターだったんだけど、看板が出てるのに道がないし、坂がキツイしで到着までに一苦労。今年の11月で閉館だしもう行くことはないかな。

観劇後に【浪花家総本店】に寄ってたい焼きを買って帰る。相変わらずうまうま。あんこのある国に生まれてよかった。